布川社長
代表取締役
技術者としての経験を経て、現在は経営の立場から神島化学工業の研究開発と事業を牽引。

JOB INTRODUCTION
ABOUT THE JOB
アイデアを技術に変え、
次の市場を切り拓く。
建材・化成品・セラミックスの3分野で、新しい材料や商品を生み出す仕事です。顧客のニーズや自らのアイデアを起点に、実験・評価を繰り返しながら求める機能や意匠を形にし、コストや設備も考慮して量産へ。技術で、神島化学工業の次の市場をつくっていきます。
JOB AT A GLANCE
研究するもの
3つのフィールド
開発のスタート
開発のゴール
開発のスパン
若手の裁量
MISSION
顧客や営業から寄せられるニーズ、自らのアイデアを、新しい商品や技術へ変えていきます。性能を追求するだけでなく、コストや設備、量産性まで考え、工場で安定して生産できる形へ。技術を実用化し、顧客に採用されるところまでつなぐことがミッションです。
OUR ROLE
顧客ニーズやアイデアから、目標と実験計画を組み立てます。
サンプルをつくり、データを分析しながら性能を高めます。
性能・コスト・設備を考え、安定してつくれる条件を探ります。
顧客とも直接議論し、関係部門と連携して実用化へつなげます。
NETWORK
WORK FLOW
要望・アイデアを整理
目標・実験計画を立てる
ラボで実験・試作・評価
顧客提案
スケールアップ・プロセス完成
パイロット化
REWARDS
CHALLENGES
SKILLS
FIT
CROSS TALK
研究開発クロストーク
社長と若手技術者が語る、神島化学工業の研究開発
100年以上にわたり、技術を受け継ぎながら、化成品、建材、セラミックスへと事業を広げてきた神島化学工業。
研究テーマは、どこから生まれるのか。
思うような結果が出ないとき、どう前へ進むのか。
研究室で生まれた技術を、どう社会へ届けるのか。
技術出身の社長と、各分野で研究開発に携わる若手社員が、神島化学工業の研究開発のリアルと、その先に描く未来について語り合いました。
MEMBER
布川社長
代表取締役
技術者としての経験を経て、現在は経営の立場から神島化学工業の研究開発と事業を牽引。
Yさん
建材開発
外壁・軒天井などの塗装、デザイン、新商品開発を担当。
Tさん
新規事業開発
化成品技術を経て、新しい製品・事業の創出に挑戦。
Iさん
セラミックス開発
透明セラミックスの材料開発を担当。
Aさん
セラミックス開発
蛍光体をはじめとした新しいセラミックス材料の開発に携わる。
Sさん
化成品開発
化成品分野の研究開発に携わる若手技術者。
CHAPTER 01
「技術で生きていく」それが、この会社の選択。
Yさん
社長はもともと技術職ですよね。改めて聞いてみたいんですが、神島化学工業にとって「研究開発」って、どんな存在なんでしょうか。
社長
そうですね。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、会社が生きていくための生命線だと思っています。
うちには、「神島化学工業しか手に入れられない特別な原料」があるわけではありません。海水は誰でも使えますし、建材の原料も一般的なものです。それに、詫間工場は物流面でも決して有利な場所ではありません。
では、どうやって他社との違いをつくるのか。
やっぱり、技術で付加価値をつけるしかありません。
だから神島化学工業は、ずっと「技術で生きていく会社」なんだと思っています。
Tさん
「ずっと」というのは、昔からそういう考え方だったんですか?
社長
むしろ、そうではなかった時代があったからこそ、今の考え方があるんです。
戦後、肥料がものすごく売れた時代がありました。当時はつくればつくるほど売れるので、「余計なことをせず、肥料をつくっていればいい」という空気になってしまったんです。
その結果、新しい技術開発をあまりやらなくなったんですね。
ところが、その肥料が売れなくなった途端に、会社が一気に苦しくなりました。
そんな中で唯一残ったのが、詫間工場で取り組んでいた、にがりからマグネシウムを取り出す技術だったんです。
その技術が今の化成品へ、さらに建材やセラミックスへとつながっています。
TECHNOLOGY HISTORY
神島化学工業の事業を
つないできた「技術」
Yさん
建材の開発をしていても、それは感じます。
もともとは化成品の技術があって、そこから建材へ広がってきた。今担当している商品も、長い技術の積み重ねの先にあるんだなと思うことがあります。
社長
そうですね。
でも、技術が高ければそれでいいかというと、そうでもないんです。
大切なのは、その技術で社会やお客様の困りごとを解決することです。社会そのものが「こんな製品をつくってください」と教えてくれるわけではないので、お客様の声を聞く。そこで困っていることを見つけて、技術で何とかできないか考える。
その積み重ねが研究開発だと思っています。
Yさん
最近進めている、工場の排ガスに含まれるCO₂を原料として再利用する技術なんかはまさにそうですよね。自分たちの技術が環境課題の解決につながっているのは、かなり分かりやすいです。
社長
そうですね。
以前、「10年後、神島化学工業は何をつくっていますか?」と聞かれたことがあるんですが、「それは私にも分かりません」と答えました(笑)。
それくらい世の中は変わります。
だから、遠い未来を当てにいくより、今のお客様や社会をしっかり見る。
そこでニーズを「掴む」。
技術を「磨く」。
そして、新しいものを「創る」。
それを繰り返していくことが、神島化学工業らしい研究開発なんだと思います。
KEY MESSAGE
研究開発とは、技術を磨くことだけではない。
技術で、社会から必要とされ続けること。
CHAPTER 02
お客様の「欲しい」と、技術者の「やってみたい」。
Aさん
セラミックスの場合は、お客様の要望からテーマが始まることがかなり多いですね。
展示会で直接話を聞いたり、営業から「こういう性能のものが欲しいらしい」と相談されたり。
今やっている蛍光体のテーマも、もともと別用途で開発していた技術があって、お客様から「これをこう変えたら、別の用途に使えるんじゃないか」と相談されたところから始まっています。
社長
神島化学工業は、確かにお客様のニーズから始まる研究が多いですね。
お客様は「他社より良い製品をつくりたい」とか、「この性能がないと次の商品ができない」という具体的な課題を持っています。
そこで「神島化学工業さん、この材料をつくれませんか」と相談されます。
そういうところから研究が始まることが多いです。
Sさん
では逆に、「自分はこれをやりたい」というところから研究が始まることもあるんですか?
社長
もちろんありますよ。
研究開発ではよく、「ニーズ」と「シーズ」という言い方をします。
ニーズは、お客様が求めているものです。
シーズは、自分たちが持っている技術やアイデアですね。
ニーズから始めれば、完成したときに買ってくださるお客様がすでにいるので、事業にはつながりやすいです。
一方、シーズから始めると、売れるかどうかは分かりません。でも、今までにないものが生まれる可能性があります。
NEEDS
お客様の「これが欲しい」
×
SEEDS
技術者の「これをやってみたい」
NEW TECHNOLOGY
新しい製品・新しい事業へ
Aさん
僕自身も、「こういうやり方をしたら面白いんじゃないか」と考えることはあります。
まだ正式なテーマにはなっていませんけど、上司に言えば「じゃあ、ちょっとやってみれば」と言ってくれる雰囲気はありますね。
社長
それでいいと思います。
実際、透明セラミックスは、かなり珍しいシーズ起点の技術です。
最初は「セラミックスを透明にする」という技術そのものから始まっています。
そこから研究していくうちに、レーザーなどいろいろな用途が見つかって、大きな事業に育っていったんです。
Sさん
それは技術者として夢がありますね。
自分のアイデアから始まったものが、誰もつくったことのない製品になる。そういう仕事はやってみたいです。
社長
ぜひやってほしいですね(笑)。
ただ、私は研究テーマを見るときに、市場性だけではなくて、担当している本人が本気でやりたいと思っているかもすごく大事にしています。
研究って、簡単にはうまくいかないじゃないですか。
何回も失敗する中で、「それでもやりたい」と思えるか。
最後に研究を前へ動かすのは、やっぱり本人のパッションだと思います。
KEY MESSAGE
その両方から、新しい研究は始まる。
CHAPTER 03
うまくいかない。だから、研究は面白い。
Tさん
研究をしていると、「何をやっても答えが出ない」という時期がありますよね。
僕も以前、既存製品の物性のばらつきをもっと小さくするテーマを担当したんですが、「原因はこれだろう」と仮説を立てて試しても違う。その次も違う。
かなり苦しかった記憶があります。
社長
でも、それが研究ですよね(笑)。
一回やって全部うまくいくなら、研究開発じゃないと思うんです。
基本的には、うまくいかないことの方が多いです。
だから、うまくいかなかったこと自体を特別に考えなくていいと思います。
Tさん
そうですね。
そのときも、うまくいかなかったデータを捨てるんじゃなくて、「なぜ違ったのか」を一つずつ見ていきました。
実際の生産ラインからサンプルを取って、データをずっと蓄積していく。本当に地道でしたけど、続けるうちに少しずつ原因が見えてきました。
研究は、この繰り返し。
仮説を立てる
実験する
結果を見る
うまくいかない
なぜ?を考える
周囲に相談する
次の仮説へ
失敗したデータも、次の一手を考える材料になる。
Aさん
一人で考えていると、同じところをぐるぐる回ってしまうこともありますよね。
Tさん
あります。
だから、行き詰まったら上司や先輩に相談します。
「この条件を変えてみたら」とか、「違う方法で見たら」と言ってもらうと、自分にはなかった発想が出てくる。
思いつくことをまず試してみて、それでも難しければ、そこで初めてテーマそのものを見直す。そんな進め方ですね。
Iさん
でも、結果が出ないと「これ、報告しづらいな……」と思うこともありません?
Aさん
私は、そこはかなり話しやすいと思っています。
「こういう実験をして、こういう理由で難しかったです」と根拠を持って説明すれば、上司もちゃんと聞いてくれます。
ただ、お客様と「この日までにサンプルを出します」と約束している場合は別ですね。難しいと分かった段階ですぐ相談します。黙っていても解決しないですから。
社長
そこは大事ですね。
会社としても、チャレンジしてうまくいかなかったからといって、それだけで評価を下げることはありません。
私は、研究開発は「減点主義」ではなく「加点主義」だと思っています。
挑戦した。
データを取った。
結果はうまくいかなかった。
でも、「この方法ではうまくいかない」ということが分かった。
それも、ちゃんと次につながる成果なんですよ。
Tさん
「失敗した」じゃなくて、「一個違うことが分かった」と。
社長
そういうことです。
もちろん何も考えず同じ失敗を繰り返すのは違いますけど(笑)。
きちんと考えて挑戦した結果なら、恐れず次へ行けばいいと思います。
KEY MESSAGE
失敗を隠すより、「次にどうするか」を考える。
CHAPTER 04
ラボで成功しても、まだ製品じゃない。
Yさん
研究開発の中で、僕が特に難しいと感じるのは量産ですね。
建材だと、実験室ではデザインや色をかなり細かく調整して、「これだ」というものをつくります。
でも、それを工場で量産するとなると、話が全然違う。
一回の試験で動く材料もお金も大きいですし、少し色がずれただけでも大量のロスになる可能性があります。
だから量産試験は、かなり緊張します。
社長
建材は特に面白いですよね。
うちの場合、最初から「工場で簡単につくれるものにしよう」とはあまり考えないんです。
まず技術側が、「本当に格好いいものをつくろう」と攻めるんです。
そうすると製造側からすれば、「いや、これどうやってつくるんだ」となる(笑)。
Yさん
なりますね(笑)。
社長
でも、そこで製造の方たちが、「じゃあどうやったら量産できるか」と考えてくれる。そこが神島化学工業の強いところだと思っています。
技術だけでも製品にはならないし、製造だけでも新しいものは生まれないんです。
技術と製造が一緒になって初めて商品になるんですよ。
Aさん
セラミックスも同じですね。
ラボで少量をつくるのと、安定して大量につくるのでは、本当に別物です。
「この手順なら、誰が作業しても同じ品質になるのか」
「現場で安全にできるのか」
そこまで考えないと、量産には持っていけません。
ラボスケールから大スケール規模の設備に大きくするだけで、熱の伝わり方も反応も変わってしまいます。
「先輩たちは、これをどうやって安定させたんだろう」と思いますね。
LAB
少量の試作に成功
研究室では「できた」
SCALE UP
ラボスケールの試験 大スケールの設備へ
量が増えると、研究室と同じ条件ではつくれない。
大きくなると……
FACTORY
安全に、安定して、繰り返し「つくれる」
Tさん
僕は以前、製造の人から「この工程、本当に必要なの?」と聞かれて、答えられなかったことがあります。
研究室では当たり前のようにやっていた工程だったんですが、なぜ必要なのかを自分でちゃんと理解できていなかった。
それに、実際に工場でその作業をする大変さも分かっていませんでした。
Yさん
研究側と現場側では、見えているものが違いますよね。
Tさん
そうなんです。
それから実際に工場へ行って、作業を見て、話を聞きました。
そうすると、「ここは反応上どうしても必要です。でも、この工程なら省けます」と話せるようになった。そこまで説明できると、現場の人も「じゃあやってみよう」と協力してくれるんです。
社長
技術的に正しいことを言うだけじゃ、人は動かないですからね。
相手が何に困っているのかまで考える。
それは製造との関係でも、お客様との関係でも同じだと思います。
KEY MESSAGE
研究室の技術を、
誰でも、安全に、安定してつくれる技術へ。
CHAPTER 05
まだない「第4の柱」を、自分たちの手で。
Tさん
ここまで昔の話から今の研究までいろいろ聞いてきましたけど、社長はこれからの神島化学工業をどうしていきたいですか?
社長
基本的には、最初に話したことと変わらないですね。
社会やお客様が困っていることを見つけて、技術で応える。
それを愚直に続けていけば、新しい事業は必ず生まれてくると思っています。
神島化学工業はいろいろな業界と関わっています。
だから毎日のように、「こんなこと、できませんか?」という面白い相談が来るんですよ。
中には「そんなの無理でしょう」と思うような相談もあります(笑)。
でも、そこにチャンスがあるんです。
Yさん
セラミックスも、最初から今のような事業だったわけではないですもんね。
社長
そうなんです。
最初は小さな技術だったものが、あるニーズと結びついて、いつの間にか大きな事業になるんです。
だから、今ある建材・化成品・セラミックスだけで終わる必要はありません。
4つ目、5つ目の事業をつくっていきたいと思っています。
そのためにも、若い人には会社の中だけに閉じこもってほしくないですね。
展示会でも、研究機関でも、海外でもいい。
外へ出て、「こんな技術があるんだ」「こんな課題があるんだ」というものをどんどん持って帰ってきてほしいです。
MY NEXT CHALLENGE
Yさん|建材開発
建材だけにこだわるのではなく、全く違う分野でも面白い技術があれば挑戦したいです。
いろいろな専門を持った人の知識と神島化学工業の技術を組み合わせたら、まだないものが生まれるかもしれないと思っています。
Aさん|セラミックス開発
かなり大きなことを言うと(笑)、教科書に載るような技術をつくりたいです。
「この技術をつくったのは神島化学だ」と世界中の研究者に知られるような成果を出したいですね。
Iさん|セラミックス開発
今扱っている透明セラミックスは、理論上は透明になると分かっている材料です。
いつかは、「理論上、透明にならない」と言われている材料を透明にしてみたい。
Sさん|化成品開発
学生時代にコスメのSNS運営をしていて、ユーザーが何を求めているかを考えるのが好きでした。
その経験と今の化成品技術を組み合わせて、「こんな素材が欲しかった」と化粧品メーカーの方に思ってもらえるような原料をつくってみたいです。
いつか海外にも提案できる技術者になりたいですね。
Tさん|新規事業開発
建材もセラミックスも、もとをたどれば化成品の技術から広がっています。
だったら、今自分たちが持っている技術の中にも、まだ別の事業になる種があるはずです。
社長
いや、いいですね。こういう話を聞くと本当に頼もしいです。
私も神島化学工業に入ったときは、当然何も分からないところから始まりました。
でも仕事をしているうちに、いつからか、「この事業は自分が引っ張る」「自分が何とかする」と勝手に思うようになったんですよ(笑)。
そうすると、不思議と仕事の見え方が変わるんです。
大変なことが起きても、「自分がやると決めたんだから、まあ仕方ないな」と思えるようになる。
むしろ、どう乗り越えるかを考える方が面白くなってくるんです。
だからみんなにも、「自分がこのテーマを動かすんだ」という気持ちは持っていてほしいですね。
Iさん
最初に出てきた「パッション」の話につながりますね。
社長
そうですね。
もちろん知識も技術も大切です。
でも、「やってみたい」「自分が形にしたい」という気持ちがないと、新しいものはなかなか生まれません。
今日みんなが話したことを、本当に実現してほしいですね。
私も楽しみにしています。
CLOSING MESSAGE
100年以上の歴史があっても、
神島化学工業の次の製品は、まだ決まっていません。
お客様から届く「こんなものが欲しい」。
技術者が抱く「こんなことをやってみたい」。
その一つひとつを拾い上げ、試し、うまくいかない理由を考え、
仲間と知恵を出し合いながら形にしていく。
次の神島化学工業をつくる技術は、これから入社する誰かのアイデアから生まれるかもしれません。